交通事故死者数よりヒートショックによる死者数のほうが多い?
消費者庁が令和2年11月に発表した「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故にご注意ください!」という注意喚起を促す資料があります。毎年5000人近くの方が浴槽内で亡くなっているというのです。交通事故による死亡者数よりも多いという衝撃的なデータです。
交通事故死亡者数は、エアバッグ、自動ブレーキや自動運転の進歩普及で年々減っていますが、浴槽内での死亡者数は、一向に減る傾向にありません。新築住宅業界全体も断熱性能を向上させていますが、断熱施工をしていない既存住宅はヒートショックの不安があるままです。基礎疾患のあるかたや高齢者ほどリスクが高くなるヒートショック。暮らす人は歳をとっていくのですから、対策をしていただきたいものです。消費者庁では以下の点について確認して安全に入浴をしてほしいと呼び掛けています。
- 入浴前に脱衣所や浴室を暖める。
- 湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安に。
- 浴槽から急に立ち上がらないように。
- 食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける。
- 入浴する前に同居者に一声掛けて、意識してもらう。
現在当社を含め業界で行われているヒートショック対策施工には、以下のようなものがあります。
浴室暖房
ヒートショックの危険性を避けるため、高齢者や高血圧など心疾患に不安のあるかたがご家族にいらっしゃる場合は、特に設置をお勧めします。たいていの場合、乾燥機能を備えており、冬期以外にも洗濯物を乾かすことができ、活躍します。浴室の湿気をとるためカビ予防にもなります。送風機能で体感温度を下げてくれたり、ミストサウナ機能もあるハイグレードな機種もあります。TOTOの電気ヒーター式「三乾王」、パナソニックは省エネタイプの電気ヒートポンプ式、ノーリツからはガス温水方式など、さまざまなタイプが発売されています。新築時だけでなくリフォーム取り付けも可能ですので、豊和住建にご相談ください。
脱衣室暖房
脱衣室(洗面室)と浴室の温度差も近づけておきたいところです。脱衣室は廊下と扉で仕切られますから、エアコンの空調も届きにくく、脱衣所に小型の赤外線ヒーターやオイルヒーターなどを置く方法も効果的な方法です。ご予算が許せば脱衣室にもエアコンを1台取り付けると除湿もできて便利でしょう。
床暖房
暖かい空気は軽く上がっていくため、冬に足元が寒いことは経験的にどなたもご存じでしょう。床暖房は室内の空気を汚さず、自然な温もりを感じられます。主な暖房方式には電気式と温水ヒートポンプ式があります。当社が採用しお勧めしているハイブリッドソーラーは後者にあたります。施工費を考えると新築時に敷設することをお勧めしますが、リフォームの場合も対応させていただきますので、ご相談ください。
床下エアコン
足元が温かい点では床暖房に似ていますが、床下と基礎内の空間にエアコンの暖気を送風運転して*ガラリから室内に送りこむ方式です。一般的な家電製品のエアコン本体と室外機が使えるため安価で万一の故障にも安心です。副次的にもたらすメリットとしては、基礎コンクリートから放出される水分を乾燥する効果があり、結露を防いでくれます。
*ガラリ:通風口に異物が入らないようにするためブラインド状の薄い板を取り付けたもの。グリルがなまった、あるいは開け閉めするときの音を表現したなど由来は不明。